三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

こんばんは三井堂です。
まずはレマニア手巻き2カウンタークロノ
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レマニア社製の2カウンタークロノ
キャリバー番号がよくわかりませんでしたがcal321なんかと似た雰囲気はありました。
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二番車の上下摩耗の調整、片振りがかなり出ていたので調整を行いました。
ゼンマイが強く振り当たりが少し出ていたのでそちらも調整を
思ったより重症ではなくてよかったです。
適当な合わせみたいな針がついていて若干クリアランスに調整に苦労しましたがなんとかなりました。

振角300度超、歩度+10秒弱で調整中。

つぎシャネルJ12オートマクロノETA2894
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機械は油でべちゃべちゃでした
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前回は他所で令和2年9月の施工印あり
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ベースムーブメントのほうは結構綺麗でした、二番車だけ少々摩耗痕あり
油汚れがひどかっただけで分解掃除だけでOKでした。
秒針だけハカマのゆるみがあったので詰めなおしてあります。

パッキン類を交換して200M防水〇、ブレスの圧入ピンも緩くなっていたので詰めなおしてあります。
しばらくは大丈夫だと思います。
人気のあるモデルですし圧入ピンの純正中古とか社外部品とかたくさん流通ありそうですけどね。

分解掃除後振角280度、歩度+5秒程度で調整中。とりあえずクロノグラフの連続稼働時間から見ていきます。


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最後はヴァンクリのクオーツ
二針のシンプルタイプ、もともとはカレンダーつきの機械ですがカレンダーモジュールは半端に残してありました。
今回は半端に残したカレンダーバネが適正位置から外れた状態だったので、文字盤が浮いて短針のクリアランスがめちゃくちゃタイトになっていました。

こういうことがあるから不要なものは外しておいたほうがいいと思うんですよね。まぁこれは前回組んだ人が不注意なだけですけど…。

他油切れで鉄粉が出ていたので綺麗にして組みなおし 
短針のハカマも詰めなおしてうまく取付まで終わりました。
バンド交換も一緒にご希望でしたのでピエールアーペルの独特のラグ形状にカットして交換済。

今日はここまでで終業です。
それではまた。

おはようございます三井堂です。
まずはIWCcal853オートマ
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ローター真が折れている個体
ローター真交換と分解掃除でお預かりです。
幸いローター真は手元に在庫があったのでさくっと交換、853と854だと真の形状が違い流用できません。
その気になれば手配できますがとりあえず残りストック真は1個になりました。
854系はいっぱいありますが…。

分解掃除を終えて振角300度、歩度+5秒弱で調整終了。

つぎルイヴィトンタンブールオートマクロノcal2894
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錆がかなり出ていた個体
プッシュボタン不動、時計不動でお預かり
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プッシャー軸が錆でダメになっていたので軸別作とパッキン類交換を行いました。
10気圧防水はこれで確保できました。
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ベースムーブメントは油の乾きで2番車の固着が出ていたのでホゾのポリッシュ
3番車のアガキが過大だったので調整を行っています。
クロノモジュールはプッシュボタン近くの部品だけ錆びていたので問題なく修理できました。
分解掃除を終えて振角300度超、歩度+5秒程度で調整終了。

つぎオメガシーマスターコーアクシャルcal2500B
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2892ベースのコーアクシャル
分解前の写真ですでにオートマ伝え車の歯が1枚傷んでいてイヤな感じ。
オメガオリジナルの部品形状なので動きに問題なさそうならこのままいきます。

2層型のコーアクシャルホイールが採用されており調子落ちている機械が多いです。
コーアクシャルホイールとガンギ歯が擦れているところに黒いヘドロ状の汚れが出ていることが多くそれが抵抗を生みます。
調子悪い個体は十中八九そこの部分が原因です。

加えてこの個体は一番芯のアガキが不足しておりそれも不調の原因だったようです。
対処して分解掃除を行い振角300度、歩度+5秒弱で調整中。いまのところ日差+2秒くらいで稼働しています。

つぎフランクミュラーカサブランカオートマETA2892   
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フランクミュラー
今のところベーシックな3針、手巻き系のみ修理受付しています。モジュールがついているやつはお断りしています、断固。

こちらは裏蓋ネジ錆の為裏蓋ネジ抜きと分解掃除でお預かりです。
裏蓋ネジは無事抜けまして別作したものを取り付けて5気圧防水までOKでした。バンドのバネ棒もめちゃくちゃ錆びていました、ウレタンバンドだと水吸わないんでバネ棒の方に残留しちゃうんですかね。

機械は概ね良好な状態でしたが3番車のアガキの調整がめちゃくちゃで、3番車にところどころ4番に擦れたあとがありました。
製造時にはギリギリクリアランスをクリアしていても分解掃除を経て歯にフレが出たりして接触することもあると思います。
歯車のアガキはタイトに、歯車同士のクリアランスは余裕を持った方がいいですね。

調整を行い振角300度超、歩度+5秒程度で調整中。いまのところ日差+3秒くらいで稼働しているみたいです。

つぎ、オメガシーマスターアクアテラコーアクシャルcal8500
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オメガの自社ツインバレルのオートマ
かなり遅れるとのことでお預かり。
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この機械の場合遅れるくらいだと分解掃除のみで改善できます。
針が飛ぶように動いたり、ゼンマイを巻いているのに数秒動いてすぐ止まる みたいな動き方をしだすとアンクル爪先の調整が必要になってきます。
最悪アンクル交換ですがメーカーに出すよりかは確実に安く済みます。

こちらの個体は完全に油切れ、テンプ穴石の油が固まってガサガサになっていました。
分解掃除を行って復調しました。歩度+5秒程度で調整中。防水も150MOKです。

とりあえず昨日はここまで、今日はレマニアの2カウンタクロノ、ヴァンクリーフのクオーツ、シャネルJ12オートマクロノなどの予定








こんばんは三井堂です。
まずはオリエントスターインジケータから
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比較的新しいオリエントスター
ローター上の刻印っぽいものは別成形の板を接着してあるだけなので自動洗浄機にかけると全部取れちゃいます。
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文字盤側のインジケータ機構
とてもシンプルです。
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6時位置のスモセコ用カナ
3番車から動力を経由しています。
今回はインジケータ残量があるのに止まってしまうとのことでお預かりです。
インジケータも後付けのスモセコも動力を食いやすい機構なので油の乾きの影響が出ているものと思います。
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自動巻きはいつものマジックレバーでした。
全体的に綺麗な状態でした。通常通りの分解掃除で作業終了。
歩度+5秒程度で調整してインジケーターの動きを見ていきます。

つぎはグランドセイコーcal4522
caa0a422
45GSです。
止まりということで分解掃除でお預かり
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妙に香箱のアガキないなと思っていたらこんなことになってました。
ゼンマイが切れていないのにこんなんなってるのを見たのは初めてです。
壁が壊れているの自体はゼンマイ切れ個体で2回確認しています。
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裏から見ると香箱の裂け方がスゴイ
この機械は大体分解掃除と一緒に何本もホゾ磨かないといけないので少し大変です。
ホゾ磨き、香箱交換など経て分解掃除終了。
歩度+5秒程度で調整中。

つぎ!IWCポルトギーゼiw371446
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7750ベースのポルトギーゼ
遅れでお預かりです。振り角もかなり低下していたので十中八九スモセコモジュール部の油切れでしょう。
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いつもの3番経由のモジュール
モジュールを外してあげたらさっさか290度くらい振ってました…。
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ベースムーブメントは摩耗などもなく綺麗な状態でした。
通常の分解掃除のみで終了
今回は組み方を少し改良してとてもスムーズに作業できました。
パッキン類の交換、センター針のハカマを少し詰めるなどしてケーシングまで終了。
歩度は+5秒程度で調整中です。防水も5気圧まではOKでした。

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チュードルのデイトデイ
針送り不可とのことでお預かり
ゼンマイは巻けて、カレンダーと針合わせ不可だったので巻き芯先端折れでしょう。
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正解でした。
機械は概ねよさそうですが3番車はホゾに痛みがあるので交換したほうがよさそう。
とりあえずばらして洗浄まで終えました。

今日はここまでで終業です、それではまた。




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