三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

2018年08月

おはようございます、まだまだ暑い日が続きますが気持ち湿気が少なくなってきたような気がします。
9月は例年通りの涼しさになる予報なのでもう少しの辛抱でしょうか。

そろそろ腕時計も革ベルトのついた時計の出番ですかねぇ

さて、昨日はくみ上げ途中だったエクスプローラー1から始めました。
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分解掃除とゼンマイ交換でお預かりです。
ゼンマイ切れによる歯車へのダメージもなくコンディションは良好でした。
通常通りのOHを行いくみ上げました。振角300度、平3時ともに+5~7秒くらいで調整中です。

つぎ!
IWCフリーガーUTC(ETA2892)
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GMT機能のついたETA2892です
GMTモジュールはIWC独自の機構だと思うんですが、これが実によく出来てるんですよね。
真ん中のバネつきのレバーによって1時間ごとに正確に短針早送りが出来るようになっています。これはスゴイ。
右上がGMT車、左がカレンダー送り車です。
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小窓で第二時間帯の表示が出来るようになっています。
ETA特有の針ズレがあるので針のセッティングがやや大変でしたが、しっかり第二時間帯とリンクするようになりました。
振角300度、歩度+5秒くらいで調整中です。
そんなかんじで昨日はこれで終業でした。

今日は56GSとシーマスターオートマを施工予定です。
それでは!



昨日は7750を組んだ後調子悪い時計の再調整を行っていました。

さて、今日はオメガレイルマスターコーアクシャルから
ETA2892をベースにコーアクシャル機構が組み込まれたモデルですね。
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OHは5年前でした。
オートマ機構、ベースキャリバーともに摩耗もなく良い状態でした。
コハゼバネの効きが弱くなっていて巻き上げができなくなっていたので、バネを強めに再調整してOH完了。
振角300°以上、姿勢差もほぼありませんでした。さすがに気合入れて作ってありますね、良い機械です。

つぎ!オリエントオートマ
手巻きのないモデルです。
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簡素な機械です、ネジの数も最小限になるように工夫?して設計されています。
実用品としてはこういう仕上げでも全然問題ないと思うんですけどね、これで裏スケにしちゃいかんよね…。
オートマはマジックレバー式、洗浄を済ませて組み上げと注油を行いました。
振角も270°、歩度もまずまずといったところです。
しばらくランニングテストをおこないます。

突然ですが、この文字盤に書いてある国、どこかわかりますか?
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ノータイムで分かったらスゴイ!(ちなみに私はわかりませんでした)

こたえはvietnamです。
統一40周年記念モデルらしいです。こんな変り文字盤も面白いですね。

さて!あまった時間でロレックスcal3130をバラしたところで終業時間になりました。
木曜日はエクスプローラー1(cal3130)から施工予定です。
それではまた休み明け木曜日に!





まずはシチズンクリスタルセブンから
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カレンダー回りが特にヤバイ機械。
20世紀だから許される設計って感じです。
忘れそうなのですぐに洗浄してカレンダーから組み上げて事なきを得ました。

人工ルビーが各所にしっかり使われていているんですが、そのぶんフリーの香箱がかなり摩耗していました。
しっかり摩耗を修正して組み上げました。
しばらくランニングテストをしつつ様子を見ます。

次はオメガスピードマスター(cal7750)
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ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
金色キャリバーは初めてかもしれません。現行品とはちょこちょこ部品の仕様が違いましたが基本設計は変わりません。
部品の摩耗は特に見られずテンプのアガキだけ修正してベース部分まで組み上げました。

今日はベースまで組んで終業です。明日は7750の続きから2892ベースのコーアクシャルを施工予定です。


こんにちは!
まずはIWCの懐中時計から
巻きどまりまで巻くと時計が止まるということでお預かりです。
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OHは5年前でしたのでそこまで致命的な不具合はないとは思いますが…摩耗に注意しつつバラしていきます。
一番芯ウケ上部に摩耗+緑青が見られますね、それから二番車を受ける地板も少し摩耗していました。
香箱も摩耗していたので穴詰のためにゼンマイを取り出すとハンダ付けした欠片がポロリと出てきました。
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返しのついたゼンマイが香箱内壁に引っかかって巻きどまるようになっているんですが、内壁の出っ張りが不十分でうまく引っかからない…ってんでゼンマイ交換した際にハンダで出っ張りを作ったんだと思います。
今回は10年たってそのハンダが取れて十分にトルクを伝えきれなくなっていたんでしょう。

今回は香箱ではなくゼンマイのほうに一工夫して巻きどまりできるようにしました。
あとは各部の摩耗を修正して組み上げました。
振角もばっちり300°以上、歩度も平、12時↑ともに1桁秒台で調整してあります。
久々に良い出来の懐中時計が施工できて嬉しかったですねぇ、シンプルイズベストな良い造りでした。
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つぎ!モーリス手巻き
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リューズメッキとOHでお預かりです。
巻きどまり近くまで巻いても殆どテンプが振らない状態でした。
摩耗に注意しつつバラしていきます。

二番車ウケ、一番芯ウケ上下に摩耗がありましたが年代相応でしょうね、十分対処可能な範囲です。
歯車は仕上げこそ甘いですが太く丈夫に作られていて非常に良いコンディションでした、磨きもいらなそうですね。

摩耗を修正して組み上げました。
振角は300°超でびっくりするくらい調子が出てます。天真が摩耗しているらしくすこし裏と平で姿勢差が出そうですが実用に問題ない範囲でまとめられそうです。
終業間際でお客様の対応に追われてしまい歩度調整は休み明けに持ち越しです。

今日は良い時計を2本施工できて満足度の高い1日でした。それではまた休み明け日曜日に!
日曜日はシチズンクリスタルセブンを施工予定です。これがまた超絶XXな時計らしいので覚悟して臨みます。


こんばんは、連休ボケから回復しつつありだんだん仕事のモチベーションが上がってきました。
元がぐうたらな性格なんで連休が入ると途端に張り詰めたやる気がどこかいっちゃうんですよね、今度からは夏休みは連休とらずに分散させようしら。

さて!
まずがオメガオートマcal1013?から
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巻いてもすぐとまるとこのことで分解掃除でお預かりです。
ケース裏蓋に酷くサビが出ていました、内部までサビは進行していませんでしたが湿気の影響かオートマ関係の歯車に緑青が出ていました。
磨耗をチェックしつつばらしていくと、一番芯ウケ上部に磨耗あったくらいであとは概ねOKでした。
現在はちゃんと稼動していますがOH前のオートマ切り替え車の挙動がおかしかったので、注意しつつランニングテストを行う予定です。
振り角280~300度、歩度も+1ケタ秒台で調整中です。

三番車のカナが地板を挟んで文字盤側にあったり…と結構ユニークな機械でした。
きっと以前もやったことあるんだろうけどすっかり忘れちゃってたな。

そんで以前施工したロンジンオートマの針メッキがあがってきたので夜光をさっと塗って休憩へ


メシ休憩(3分)からあがってからはロレックスミルガウス(cal3131)を施工しました。
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ベースは3135と一緒ですが、機械と文字盤の間に分厚い耐磁プレートが乗っかっている分四番車ホゾ、ツツカナ、本剣車が少し長くなっていました。
あとはデイトがないことも変更点ですね。

全体的に油が乾いていたくらいだったので通常のOHで対応可能でした。

あとは細々とした修理をやって今日は終業時間を迎えました。
明日はIWCの懐中時計とモーリスの古い手巻きを施工予定です。
それでは!


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