三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

2018年10月

こんばんは。
昨日はオヤスミをいただいてましたが店内設備の買い出しにいってました。
アンティークコーナーをそれっぽくしてみました。
ビフォー
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アフター
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もうちょっと草とか増やしてもいいかもしれないですね。
こうしたい!っていうアイデアはあってもアウトプットするにはマンパワーが足りないので、買い出しだけしてあとはちょこちょこ社員にお願いしてやってもらいました。
右上のPOPは外注(彼女作)笑 素材だけ提供したらいい感じにやってくれました。

アンティークコーナーをいじったあとに月末〆の伝票整理業務を終えて時刻は16時…
残り時間で途中までばらしていたオメガのコンステオートマを施工していきます。
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一番芯ウケ上下に人工ルビーが追加されたETA2892です。
この機種の特徴として、OHから一定年数経つとガクっと振角が落ちて精度がでなくなるというのがありますね。
今回お預かりの時計もそのような症状を呈していました。

ちょっと水気のはいった形跡がありましたが部品に影響はありませんでした。
OHも4年前ですので部品の摩耗も比較的軽微でタイミングとしては適切だったみたいです。
通常のOHを行って振り角も280°近くまで回復、姿勢差もなく良い状態に調整できました。
あとはワインダーにかけつつ精度調整を行っていきます。
あわせて緩んだブレスのピンの交換作業もありますのでこれは明日行います。

今日はくたびれた…明日はクオーツを3本ほどやる予定です、余裕があればエポスのオートマやりたいですね。それではまたあした…ってもう今日でした。じゃ!




微調整続きでなかなか新しい時計に取り掛かれていませんでした。
落ち着いたのでたまった修理品を施工していきます。
まずはロレックスデイトジャスト(cal2135)
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OH前は振り角240°弱、歩度もマイナスにふれておりイマイチな状態でした。
典型的な油切れの症状ですね。
摩耗をチェックしつつバラしていきます。初OHのようで部品、ネジともに良い状態でした。
通常のOHを行って振角290°、歩度も+5秒程度に調整しました。しばらくランニングテストを行って様子を見ます。

つぎ!オメガスピードマスタープロフェッショナル(レマニア1873)
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久々のスピードマスターですね。
ネットからのご依頼で前回のOHは8年前でした。あんまりお使いになっていなかったんでしょうか、状態は非常によかったです。
いつも通り二番車ウケ上下が摩耗していたのでしっかり修正して組み上げました。
振角も300°近く、姿勢差もほぼなく歩度+10秒↓くらいで調整してます。休み中にケースを乾燥させてケーシングした後ランニングテストを行います。
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今日はここまでで終業時間でした。
休み明けはオメガコンステとエポスのオートマがあるのでそこらへんができたらいいですね。
でもそろそろ月末〆の事務作業があるんでした…がんばります。それでは!
あ。アンティーク商品にワックマンのクロノを追加しました。カッコイイんでよかったらチェックしてみてください。(宣伝)


ホームページのリニューアルが終わりました!!
めちゃくちゃ疲れましたが納得いくものができたので満足です。あとはここに修理実績(一覧)という項目をもう1個増やす予定です。
各ブランドごとにフェイスの写真1枚と5行くらいの説明と金額を記載して、一瞥して施工内容がわかるようなページを作ろうと思っています。
とはいえ写真のストックを溜めるところからなので大分先の話になるかと思いますが…。

さて、今日はHPリニューアルを含め事務作業がようやく終わったので修理のほう再開していきます。
まずはロレックスデイトジャストcal3135から
久々だとなんとなくやりなれているものから手を付けてしまいます笑
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初OHみたいですがずいぶん長いこと使っていらっしゃったようでローター真が摩耗していました。
地板の外周部分が少し削れて黄色い真鍮が見え始めています。
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オートマユニットを外すとご覧の通り鉄粉が四番車の穴石に積もっています。
さすがにこれはローター真の交換をしたほうがいいですね。
が…部品在庫がなかったので注文して今日はベース部分だけOHを行いました。
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初OHなのでネジもピカピカのままで気持ちがイイですね。
オートマユニットは洗浄してエピラム処理をかけておきました。ローター真を交換した後に組み込んでいきます。続きは木曜日の午後からになると思います。

つぎ!IWCマーク12(cal884/2)
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先日やったヴァシュロンとベースキャリバーは同じ、ルクルトのcal889です。
あのキャリバーをよくここまでリファインしたなぁ…と感心しながら施工していました。
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追加機構その1はまずハックレバーです。
その2はオシドリの固定ネジの追加です。これネジがないと輪列ウケを乗せるまでオシドリがすぐ浮いてきてうっとうしいんですよ。
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その3はカレンダー送りレバー規制バネの調整用ネジの追加です。
見づらいですが…ツツカナの横に地板に直付けされたながーいバネがあります。
これが下の送りレバーを元のポジションに押し戻す役割を果たすんですが、これがやっぱり経年で弱くなりやすいと予想したんでしょうね。
バネの真ん中近くにネジをつけたのは、それを締めこむことで疑似的にバネの最大長を短くして、レバーにかかる力を強くしようという狙いでしょう。すごいですねぇ…。

カサ車も通常とは違う素材をつかって特殊な表面処理をしていました。歯が細かく弱いのでその対策でしょう。
感心することしきり…でありましたが、同時にめちゃくちゃ神経を使いながらの施工でした。
各パーツが非常に繊細なのでちょっとしたことで壊れてしまいますからね…。
ともあれ無事OHも終わりました。歩度もまずまずでそうです。
しばらくランニングテストを行って調子がよさそうであればお客様にご連絡します。

今日はここまでで終業時間でしたーくたびれた!
休み明け木曜日は、cal3135の続きともう1本ロレックス(たぶん2235)があるのでそちらを施工していきたいと思います。
それでは!



お久しぶりです!
最近ちょっとホームページのリニューアルをしようかと考えてまして色々やっていました。
今日はリニューアル業者の方と話しをして具体的な案を提案してもらいつつ見積をとってもらいました。
金額がこちらの想像よりかなり高いものだったので、代行の線はほぼなくなりましたが草案を見せてもらったことで問題点が可視化され方向性が見えてきました。

昔ながらの手作り感が良いねという意見もちらほら聞きますが、思い切ってリニューアルをしようと思います。
修理日記やへとへと日記は維持した状態でうまく現代風にリファインできればいいなぁと考えています。
具体的な構成はほぼ完成しているのであとはホームページビルダーとかいうクソソフトをつかっていかにうまくアウトプットできるかにかかっています…。
がんばろう。

しばらく更新ができていませんでしたが修理もぼちぼちやっています。
というか状態の良いものばかりやっていたので記事にしづらかったというかなんというか笑
まずはモーリスラクロアクロノデイデイトです。
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7750ベース…いつものクロノグラフですね。
少しサビの影響が出ていて、ネジの隙間にサビが詰まってまったく締まらない状態だったのできれいに掃除しました。
それ以外は特に突っ込みどころがありませんでした。あ、裏蓋ネジが真っ黒に錆びていたので1本新規造りしているところです。
精度は申し分なく出ています。

次!オメガシーマスターオートマ(cal2892)
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ETA2892ベースのアレです。
5年前に他所でOHしているみたいです…が酷い仕事ですねぇ。
オートマユニットに思い切りドライバーかなにかでひっかいた後があります…。珍しいとこに傷つけるね笑って笑ってる場合じゃないや。
ばらしていくと歯車には油がビシャビシャに散って乾いたような跡がありました。これだけ油散ってるのにヒゲに付かないなんて悪運が強いですね…。
乾いた油をきれいに洗浄して組み上げ、振角も280°近く出ておりオートマチックも問題なく機能しています。日差もワインダーで稼働させて+5秒くらいに落ち着いてます。

つぎ!IWCマーク15(ETA2892)
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ETAベースのマークシリーズでは目下一番人気の15です。
デイトの位置も気にしだすと確かに気になるんですよね。
そういえばこないだ日本橋いく用事があったんで大丸でIWCの現行モデルを見せてもらったんですが、マークシリーズとインヂュニアだけ見てたのが珍しかったのか、ポルトギーゼの説明ばっかりしてたんであきちゃいましたよ、ここ見に来る人の7割はポルトギーゼ目当てです と売り場のお兄さんがこぼしていました笑 閑話休題。
振角が極端に落ち、1日5分以上遅れるような状態でした。
一番芯上下ウケの摩耗が見られたのでそこを修正して組み上げ。振りもよく出ていますし調子が戻りました。
歩度は+2秒くらいで調整しちゃったので様子見つつもう少し+に振るかもしれません。

つぎ!ロレックスサブマリーナ(cal3135)
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ロレックスも今となってはそんなに積極的にやったりしないんですが、ちょっと試したいことがあったので久々に。あ、針の抜き方をちょっと変えただけですしょーもないですね。
3135にしてはめずらしくビートエラーが大きめに出ており日差も+30秒くらいになってました。
部品の状態は比較的よくそのまま通常のOHを行って組み上げました。ビートエラーもしっかり修正して歩度も+5秒くらいに調整できました。
ケーシングして様子みます。

明日は定休日です、木曜日はシーマスターあたりからやる予定です。それでは!




本日もやっていきます。
まずはユリスナルダンマリンクロノメーター1846(ETA2892)から
腕時計の中でもトップレベルに好きなデザインです…フェイスの画像はないので気になったら検索してください笑
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ETA2892ベースにおそらくデュボアデプラの追加モジュールが載っています。
異様に薄いネジ溝とデイトの上のレンズがそれっぽいです。
一番芯、二番車にカナがついていて上のモジュールに動力を伝えます。
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かのメーカーにしてはかなりシンプルな機構になっていますね。
ここは通常の洗浄と注油をすれば問題なく動作します。
ベースのほうは四番車のアガキが多少不足していたのと、各歯車のホゾがやや痛んでいたので研磨して対処。
振角270°↑、姿勢差もなく良い仕上がりになったかと思います。
ケーシングしてインジケーターの動きと動作確認を行います。

つぎ!ルイエラールレギュレーター(ETA7001)
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時分秒針がそれぞれ別箇所に配置されたモデルですね。
時針には本剣車から中間車を一つ経由して動力を伝えています。
一番芯上部のウケが摩耗していた以外は概ねコンディション良好でした。摩耗を修正して組み上げ。

あとは終業時間までオートマの調子が悪いオリエントと56GSを見て終わりました。
オリエントはマジックレバーの抑えがずれてレバー真にぶつかってうまくレバーが動かなくなっていました。ネジ1本で留めてるからですね…。ただしいセッティングにしなおしてワインダーへ。
56は各部の摩耗をチェックしなおし、オートマ関係の部品の再洗浄とエピラム処理をかけなおしてワインダーへ。
気持ち手巻きの感触も軽くなったかな…?ワインダーかけて様子見ます。

休み明けはモーリスラクロアクロノから始めます。それでは!

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