三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

2020年03月

こんばんは
まずはラドーマーストロンから
IMG_0226
電磁テンプ式です。音叉時計の一世代前です。
動力源は電池ですが調速はテンプで行うため精度は機械式時計と大差はないようです。
電磁石によってテンプを動かしてアンクル→ガンギ→輪列と動力を伝えていきます。
IMG_0228
IMG_0229
比較的シンプルな構造です。油が乾いていても無理やり動いてしまうので天真が減っているケースがあるそうです。この個体は大丈夫でしたが地板含めしっかりエピラム処理を行いました。
組み上げて振角270度、歩度+10秒程度で調整中です。
面白い仕組みの時計でした、機械があれば音叉もやってみたいですねぇ。

つぎ!ロレックスエクスプローラー1 214270
IMG_0230
cal3132、パラクロムヒゲゼンマイに新しいショックバネが使われています。
各部の油はやや乾き気味でしたが摩耗などは見られず良い状態でした。
主ゼンマイはヘタりが見られたので交換しています。
IMG_0231
洗浄してからくみ上げて振角300度、歩度+5,6秒で調整中です。ケーシングしてランニングテスト中です。もうしばらく様子を見ていきます。
明日火曜日は同じお客さんからお預かりの10Pデイトジャストの施工予定です、機械は多分3135です。
それではまた!

こんばんはー
まずはジラールペルゴオートマクロノ GP4900
IMG_0217
搭載キャリバーはETA2892ベースの縦3つ目二階建てクロノです。
IMG_0218
先にベースキャリバーを分解、香箱内壁の摩耗がだいぶ進行していました。
内壁のグリスアップとゼンマイの加工で過度のスリップは改善しました。
ただ次回OHでそろそろ香箱は交換が必要になるかもしれません。
IMG_0220
カム部以外の油がかなり乾き気味です。
リセットハンマー周りの油が乾いてくると衝撃が消しきれなくなり、クロノ動作の不具合の原因になります。
IMG_0221
IMG_0223
組み上げて振角300度超、歩度+5~10秒で調整中です。
固着して動かなかったプッシャーも洗浄で操作感が回復しました。打ち込み式のプッシャーの割にはすんなり抜けてよかったです。
しばらくランニングテストします。

つぎ!ロレックスオイスターデイト(ref6694)
IMG_0224
天真交換とOHでお預かりです。
既に純正天真を手配して交換してあります。
IMG_0225
機械部分の摩耗をごく少ないものでしたがとにかくヒゲゼンマイの状態が悪かったです。
いじり倒してなんとか実用精度は出るようになりましたが、姿勢差は少し残ってしまいそうです。
組み上げて振角280度程度、日差は調整調整中ですが+15~20秒になれば御の字かなと…。

今日はここまでで終業でした。
明日はお休みをいただいてますのでまた月曜日からがんばります。それではまた!






こんばんは
まずはオメガジュネーヴオートマ(cal565)から
IMG_0211
艶消し仕様ですが部品、ネジなどに痛みはなく綺麗です。
摩耗なども殆どありませんでした、ベリリウムカッパー製の一番ウケが変色していないのは珍しいです、あまり使っていなかったんでしょう。
二番車のホゾに薄い摩耗痕があったので研磨剤を使って研磨しました。
IMG_0212
IMG_0213
組み上げ途中
秒カナ抑えも良い状態です。
組み上げて振り確250度程度、歩度は現在調整中です。様子みつつもう少しヒゲゼンマイを調整するかもしれません。

つぎ!セイコーオートマ(SARB033)
IMG_0214
普及機6Rです、久々の施工になります。
マジックレバー式のオートマチック
IMG_0215
油切れや摩耗はあまり見られませんでした。
ただし機械の各部に磁気帯びが見られたので消磁を行いました。
精度不良の主な原因かと思います。
IMG_0216
組み上げて振角280度程度、歩度は+15秒程度です。
様子見つつもう少し精度詰めていくと思います。

それではまた!


こんばんは
まずはエルメスクリッパークオーツから
IMG_0203
リューズ交換とチューブ合わせでお預かり。
ちょうど1年前に水入りで修理した個体でした。純正リューズは手配できたのでチューブを削って加工しました。
エルメスのチューブは差し込んでいるだけなのでリューズと一緒にスポッと抜けてしまったようです。
IMG_0205
巻き芯も錆びていたので合わせて交換です。3気圧防水は確保できていますが心配なのでもう一回OHしておきます。
消費電流0.76μA、問題なさそうです。もうしばらくランニングテストしてご連絡予定です。

つぎ!IWCオートマcal8541B(店売用)
IMG_0206
85系にしては珍しくゼンマイが切れていました。
部品は概ね良い状態、一番芯下部のウケが軽く摩耗していたので穴詰めで対処しました。
土手ピンの曲がりを修正してから洗浄
IMG_0207
組み上げて振角300度、歩度+10秒で調整中です。
針の状態が良くなかったのでメッキを落としてから再度SSメッキをかけなおします。
メッキが上がってくるまでしばらく待ちです。

つぎはエルジンオートマミッキー
IMG_0209
(よく見ると腕の長さが怖い)
一か月ほど前にOHを終えた個体、カレンダー回りに非純正パーツが使われていたため、カレンダー機能が使えないというお話をしたところ、追加費用をご了承の上でパーツを取り寄せて交換することになりました。
IMG_0208
フォンテンメロンcal909パーツセット…こんなにいらないんですけど…
一番安かったのがコレでした。右下のパーツ3点が交換用部品です。
カレンダー板もプリントが剥げて汚なかったので一応綺麗なものに交換しました。
無事カレンダーの機能も復活です。
IMG_0210
無駄に精度が良いミッキーウォッチ笑
ひげゼンマイの調整が覿面に効いたようです。
もうしばらくランニングテストしてご連絡予定です。

休み明け木曜日はオメガcal565とセイコー6Rを施工します、それではまた!



おはようございます。
まずはタグホイヤーアクアレーサーの続きから
特に部品の痛みなどもなかったので、部品交換はせずそのままくみ上げ
振りも300度弱、歩度+5秒程度で現在稼動中です。
リューズのねじ込みも分解掃除とグリスアップでほぼ改善したと思います。自分の経験上のホイヤーのねじ込みの感覚に近いものになりました。
ベースの2824自体がややゼンマイの巻上げが重いタイプなので、ゼンマイがフルで巻き上がっている状態と解けている時とでねじ込みの硬さがかなり違います。

一応お客さんに確認していただいてからリューズ交換するかどうか決めていただこうと思います。

つぎ!IWCスピットファイアUTC/IW325112
IMG_0198
GMT機能つきのIWCです。
0時地点でカレンダーが半目になり、1時で切り替わることを先に確認しておきます。
IMG_0200
ツツカナの上にGMT車がジョイントします。
カナを乗り越えるように横からバネつきのレバーが抑えています。
以前やったフリーガーUTCとほぼ一緒ですね。
GMTはかなり故障が多い機構ですがこれは本当によく出来ていると思います。
故障らしい故障もないですね。
IMG_0201
ベースの2892は裏周りとハックレバーにパーツが追加されていました。
金色キャリバーとの変更点はそのくらいでしょうか。
まだ油はちらほら残っている状態で磨耗などはまったく見られませんでした。
アガキも適正です。
IMG_0202
くみ上げて振り角300度、歩度;4秒で稼動中です。
GMT、オートマユニットの動きも順調です。もうしばらくランニングテストして連絡予定です。

今日は先日の56GSのヒゲ再調整をまず行いました。
ちょっと平で進みすぎだったのでヒゲの全体のバランスを調整して、主要姿勢で+1~7秒くらいになるように調整できました。
もう一回ケーシングしてしばらくランニングテストしていきます。
午後からはオメガ565かIWC85を施工予定です、それではまた!

このページのトップヘ