2021年12月
キングセイコークロノメーター、ラドーオートマ、ローレル手巻き
こんばんは三井堂です。
まずはキングセイコー56クロノメーターから
止まるということで分解掃除でお預かりです。
中央シャフトの油切れが目立ちました。普通の機械とは違いここに刺さる疑似ツツカナは常に機械の動きに連動して動くので軽い油だとあっという間に油が切れて真っ黒になります。
ここはS6かHP1300を使うのが良いと思います。
また、シャフトの摩耗の対策でシャフトを入れ替えているようですが、地板に対して面位置までしか圧入していない為四番車がウケにたいしてアガキが非常に少なくなっていました。
本来のポジションまで圧入しなおすことでアガキを確保しました。
また、二番車に取り付けるマサツカナもやや緩かったのでカシメなおしてあります。
香箱内部も全て洗浄してグリスアップを行いました。強力なゼンマイなので内壁には少し多めにグリスが必要です。
分解掃除を終えて歩度+10秒程度で調整完了。
つぎ!ラドーオートマETA2824
オートマローターのネジ込部がウケの軸ごと折れていました。
幸い同じ仕上げの2824の部品を持っていたのでそこから移植しました。
併せてヒゲの水平出しなどの調整を行いました。ヒゲにコシがあるので調整しやすくて良いです。
油汚れはありましたが総じて良いコンディションだったと思います。
前回分解掃除は5年前でした。
分解掃除を終えて歩度+5から10秒程度で調整完了。
つぎ!セイコーローレル手巻き
店売用で並べていたもの
お買い上げいただく運びになりましたが、店頭に出してから大分経っていたのでお時間をいただいて調整してから納品としました。
調整箇所はほとんどありませんでした。ヒゲゼンマイもなかなかパリッと調整されていました(自分)
アンクルの注油を残して全て部品の洗浄と組み立てを終えたところです。
一応ツツカナを少し強めに調整しなおしましたがこれは好みの変化といったところです。稼働上は特に変わりないです。
休み明けにアンクル爪先へ注油して精度調整していきます。
というわけで土曜日はこれで終業でした。
年内最終営業は29日なので出勤日は残すところあと3日になりました。
paypay還元20%のおかげか修理依頼品の量がとんでもないことになってきています。
既に1月10日以降の修理品にも手を付け始めています、来年も忙しくなりそうです。
それではまた!
まずはキングセイコー56クロノメーターから
止まるということで分解掃除でお預かりです。
中央シャフトの油切れが目立ちました。普通の機械とは違いここに刺さる疑似ツツカナは常に機械の動きに連動して動くので軽い油だとあっという間に油が切れて真っ黒になります。
ここはS6かHP1300を使うのが良いと思います。
また、シャフトの摩耗の対策でシャフトを入れ替えているようですが、地板に対して面位置までしか圧入していない為四番車がウケにたいしてアガキが非常に少なくなっていました。
本来のポジションまで圧入しなおすことでアガキを確保しました。
また、二番車に取り付けるマサツカナもやや緩かったのでカシメなおしてあります。
香箱内部も全て洗浄してグリスアップを行いました。強力なゼンマイなので内壁には少し多めにグリスが必要です。
分解掃除を終えて歩度+10秒程度で調整完了。
つぎ!ラドーオートマETA2824
オートマローターのネジ込部がウケの軸ごと折れていました。
幸い同じ仕上げの2824の部品を持っていたのでそこから移植しました。
併せてヒゲの水平出しなどの調整を行いました。ヒゲにコシがあるので調整しやすくて良いです。
油汚れはありましたが総じて良いコンディションだったと思います。
前回分解掃除は5年前でした。
分解掃除を終えて歩度+5から10秒程度で調整完了。
つぎ!セイコーローレル手巻き
店売用で並べていたもの
お買い上げいただく運びになりましたが、店頭に出してから大分経っていたのでお時間をいただいて調整してから納品としました。
調整箇所はほとんどありませんでした。ヒゲゼンマイもなかなかパリッと調整されていました(自分)
アンクルの注油を残して全て部品の洗浄と組み立てを終えたところです。
一応ツツカナを少し強めに調整しなおしましたがこれは好みの変化といったところです。稼働上は特に変わりないです。
休み明けにアンクル爪先へ注油して精度調整していきます。
というわけで土曜日はこれで終業でした。
年内最終営業は29日なので出勤日は残すところあと3日になりました。
paypay還元20%のおかげか修理依頼品の量がとんでもないことになってきています。
既に1月10日以降の修理品にも手を付け始めています、来年も忙しくなりそうです。
それではまた!
IWCcal8531、ロレックス手巻き他
こんばんは三井堂です。
まずはIWCcal8531から
ペラトン式のオートマ機構
かなり汚れは見受けられますが、爪、軸部の摩耗などは見当たりません。
一番芯受けのアガキを調整しているところ
アガキの少ない個体は多いですが明らかに軋みが出ていたので、メタルを動かして調整を行いました。
こちらも店頭で販売予定の個体です。
1963年製です。現在精度調整中です。
つぎ!ロレックスオイスタープレシジョン手巻きcal1220
ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
分解掃除は4年前でした。
油は乾き始めている状態でちょうどよいタイミングだったと思います。
出車には少し振れが出ていたので調整、精度もまずまず出ています。
歯車のホゾに少し摩耗痕が出ていたのでポリッシュしています。
クオーツを2本ほど間に挟み
オメガスピードマスターのリセット不良見積もりなど
これはオペレーティングレバーのネジ折れと、折れネジのハンマーへの干渉が原因でした。
幸い折れ残ったネジは無事ピックアップできました、ネジ交換と分解掃除でなりました。
オペレーティングレバー止めネジは純正1本4000円でした。
施工は休み明け木曜日に回します。
休み明け木曜日はcal550系オメガオートマと分解してあるスピードマスターを施工予定です。
それではまた!
まずはIWCcal8531から
ペラトン式のオートマ機構
かなり汚れは見受けられますが、爪、軸部の摩耗などは見当たりません。
一番芯受けのアガキを調整しているところ
アガキの少ない個体は多いですが明らかに軋みが出ていたので、メタルを動かして調整を行いました。
こちらも店頭で販売予定の個体です。
1963年製です。現在精度調整中です。
つぎ!ロレックスオイスタープレシジョン手巻きcal1220
ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
分解掃除は4年前でした。
油は乾き始めている状態でちょうどよいタイミングだったと思います。
出車には少し振れが出ていたので調整、精度もまずまず出ています。
歯車のホゾに少し摩耗痕が出ていたのでポリッシュしています。
クオーツを2本ほど間に挟み
オメガスピードマスターのリセット不良見積もりなど
これはオペレーティングレバーのネジ折れと、折れネジのハンマーへの干渉が原因でした。
幸い折れ残ったネジは無事ピックアップできました、ネジ交換と分解掃除でなりました。
オペレーティングレバー止めネジは純正1本4000円でした。
施工は休み明け木曜日に回します。
休み明け木曜日はcal550系オメガオートマと分解してあるスピードマスターを施工予定です。
それではまた!
オメガスピードマスター、ブルガリクロノ他アンティーク仕上げ作業など
こんばんは三井堂です。
まずはオメガスピードマスターcal3313から
フレデリックピゲのムーブメントをベースに大径化+コーアクシャル化したモデル
同じレイヤーに全ての積算計があり、一個のハンマーでリセットを行います。
脱進器周りに汚れと油切れが見られました。
デリケートな部品なので丁寧に洗浄と注油を行いました。
他、ツツカナが少し軽めだったので調整を行っています。
ツツカナが軽いと短針がズレる症状を呈する場合があります。歯自体もかなり薄い造りなのでウィークポイントの一つかもしれません。
分解掃除を終えて日差+5秒程度で調整しています。クロノグラフの動作も確認済です。
つぎ!ブルガリオートマクロノETA2892ベース二階建てクロノ
ゼンマイが切れていたのでゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
ゼンマイは新しいものに交換しましたが、やや内壁に痛みが出ていました。
スリップの症状はありませんでしたがしっかりグリスアップしてケアします。
スモセコと45分積算計のツーカウンタータイプ、珍しいですね。
特段不具合などはありませんでしたが、秒カナ抑えのバネが少し弱かったので強く調整しました。
角度でいうと2度から5度程度テンションが掛かってると良いです。
分解掃除を終えて振角300度弱歩度+5~10秒程度で調整中です。
つぎ!ポールピコクロノレマニアcal1874
販売予定の手巻きクロノを仕上げていきます。
面取りもなされていて綺麗な外観です。
機械の摩耗などはなく良いコンディションでした。
ただしクロノグラフホイールの噛み合いと針のクリアランスがめちゃくちゃだったので調整してあります。
分解掃除を終えて振角310度、歩度+7秒程度で調整中です。
クロノグラフの連続稼働時間チェック中です。クロノ作動時振角290度、歩度も同程度です。
つぎ!ロレックスオイスターパーペチュアルデイトref1501
こちらも販売予定のロレックス
オートマユニットに軽い摩耗痕が見られました。
研磨剤を使ってスムージングを行っています。他ゼンマイの交換、一番芯のアガキ造りを行いました。
ローター真にガタつきもなく非常にスムーズなローターの動きです。
巻き上げも軽やか
近日中に販売予定の3本、1週間から10日程度で店頭に並ぶと思います。
スピードマスターとポールピコは20万程度、ロレックスは35万くらいの売価を予定しています。
明日は2892を2本とIWCの8531を施工の予定です。
それではまた!
まずはオメガスピードマスターcal3313から
フレデリックピゲのムーブメントをベースに大径化+コーアクシャル化したモデル
同じレイヤーに全ての積算計があり、一個のハンマーでリセットを行います。
脱進器周りに汚れと油切れが見られました。
デリケートな部品なので丁寧に洗浄と注油を行いました。
他、ツツカナが少し軽めだったので調整を行っています。
ツツカナが軽いと短針がズレる症状を呈する場合があります。歯自体もかなり薄い造りなのでウィークポイントの一つかもしれません。
分解掃除を終えて日差+5秒程度で調整しています。クロノグラフの動作も確認済です。
つぎ!ブルガリオートマクロノETA2892ベース二階建てクロノ
ゼンマイが切れていたのでゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
ゼンマイは新しいものに交換しましたが、やや内壁に痛みが出ていました。
スリップの症状はありませんでしたがしっかりグリスアップしてケアします。
スモセコと45分積算計のツーカウンタータイプ、珍しいですね。
特段不具合などはありませんでしたが、秒カナ抑えのバネが少し弱かったので強く調整しました。
角度でいうと2度から5度程度テンションが掛かってると良いです。
分解掃除を終えて振角300度弱歩度+5~10秒程度で調整中です。
つぎ!ポールピコクロノレマニアcal1874
販売予定の手巻きクロノを仕上げていきます。
面取りもなされていて綺麗な外観です。
機械の摩耗などはなく良いコンディションでした。
ただしクロノグラフホイールの噛み合いと針のクリアランスがめちゃくちゃだったので調整してあります。
分解掃除を終えて振角310度、歩度+7秒程度で調整中です。
クロノグラフの連続稼働時間チェック中です。クロノ作動時振角290度、歩度も同程度です。
つぎ!ロレックスオイスターパーペチュアルデイトref1501
こちらも販売予定のロレックス
オートマユニットに軽い摩耗痕が見られました。
研磨剤を使ってスムージングを行っています。他ゼンマイの交換、一番芯のアガキ造りを行いました。
ローター真にガタつきもなく非常にスムーズなローターの動きです。
巻き上げも軽やか
近日中に販売予定の3本、1週間から10日程度で店頭に並ぶと思います。
スピードマスターとポールピコは20万程度、ロレックスは35万くらいの売価を予定しています。
明日は2892を2本とIWCの8531を施工の予定です。
それではまた!
ユニバーサルジュネーヴトリコンパックス続き、グランドセイコーSBGR099
こんばんは三井堂です。
先日のバルジュー72の続きを行いました。
手間いらずかと思いましたが、さすがに数点の調整が必要でした。
一部のネジのクリアランスがシビアだったためネジの調整を行いました。
加えて、リセットハンマーの段差部分の研磨を行って、リセット後スムーズにハンマーが定位置に戻るように調整しました。
組み上げて振角300度程度、歩度+10秒弱で調整中です。現在クロノグラフの稼働時間をチェック中です。
先日の店売品のマーク40をケーシングしました。
今日改めて精度の調整とヒゲの煽り調整を行いました。
もうしばらくランニングテストしていきます。
それにしてもこのマーク40かっこいいですよね。ケース径は39㎜程度でまぁ普通程度なんですが、ラグからラグまでの縦の長さが45㎜なので日本人の腕には非常になじむんですよね。
手巻きの影に隠れがちですが佳作だと思います。
つぎ!グランドセイコー9SオートマSBGR099 cal9S61
中留ピン造りと分解掃除でお預かり
ブレスの錆が酷く、ラグ穴貫通してるにも関わらずバネ棒が全く取れずドリルを使う羽目になりました。
一応防水は効いていて機械は問題ないですが、少し水気は拭いていただいたほうがいいかもしれません。
精度は全体的に遅れの傾向で振角も240度程度と芳しくない状態でした。
珍しいノンデイトモデル
アンクル以外は油はちらほら残っている状態でした、オートマユニットの部品も摩耗などはありませんでした。
分解掃除と軽いヒゲゼンマイ調整を行いました。
組み上げまで終わっているので明日改めて精度調整をしていきます。
それではまた!
先日のバルジュー72の続きを行いました。
手間いらずかと思いましたが、さすがに数点の調整が必要でした。
一部のネジのクリアランスがシビアだったためネジの調整を行いました。
加えて、リセットハンマーの段差部分の研磨を行って、リセット後スムーズにハンマーが定位置に戻るように調整しました。
組み上げて振角300度程度、歩度+10秒弱で調整中です。現在クロノグラフの稼働時間をチェック中です。
先日の店売品のマーク40をケーシングしました。
今日改めて精度の調整とヒゲの煽り調整を行いました。
もうしばらくランニングテストしていきます。
それにしてもこのマーク40かっこいいですよね。ケース径は39㎜程度でまぁ普通程度なんですが、ラグからラグまでの縦の長さが45㎜なので日本人の腕には非常になじむんですよね。
手巻きの影に隠れがちですが佳作だと思います。
つぎ!グランドセイコー9SオートマSBGR099 cal9S61
中留ピン造りと分解掃除でお預かり
ブレスの錆が酷く、ラグ穴貫通してるにも関わらずバネ棒が全く取れずドリルを使う羽目になりました。
一応防水は効いていて機械は問題ないですが、少し水気は拭いていただいたほうがいいかもしれません。
精度は全体的に遅れの傾向で振角も240度程度と芳しくない状態でした。
珍しいノンデイトモデル
アンクル以外は油はちらほら残っている状態でした、オートマユニットの部品も摩耗などはありませんでした。
分解掃除と軽いヒゲゼンマイ調整を行いました。
組み上げまで終わっているので明日改めて精度調整をしていきます。
それではまた!