三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

2022年03月

こんばんは、三井堂です。
まずはウブロビッグバンオートマクロノから
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セリタ500をベースに横3つ目にレイアウト変更したもの
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30分積算計に出車を取り付け、中間車を1個介して3時位置にレイアウトを変えています。
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カムの形もちょっと違います。7750と組み方も少しだけ違うようです。
基本的な構造は一緒ですが先日のSW200といい、穴石の耐久度に不安があるので二番車への出車圧入は穴石調整器で石を受けた状態で行います。
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30分積算計のアガキ調整、規制バネの調整などを行いました。
組み立て後クロノグラフの動作も問題ないようです。振角280度弱、歩度+5から10秒程度で調整中。
最近立て続けにセリタですが、設計がほぼ共通のETAでは意識する必要のないところも注意して見る必要があるので大変です。
こないだのSW200も結局切替車2個が動作不良で交換が必要になりました。

つぎ!ロンジンコンクエストオートマETA2824
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ETA2824搭載のロンジンです。
製造年は比較的新しいもので脱進機や振動数に変更など加えられていない時代のものです。

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ゼンマイ交換+分解掃除でお預かり
ゼンマイ破断による他部品の破損などはなくゼンマイ以外の交換部品は不要でした。

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オートマユニットを裏返したところ
左にだけ擦れたような痕があります。切替車2個の内1個ほんの少しだけアガキが大きく擦れているようです。
穴石を少し上げることによりウケに擦れないように調整しました。左右の切替車のアガキは大体同量になりました。

洗浄と調整まで終えたところで今日は終業時間でした。
明日はロンジンの続きからIWC8531施工の予定、それではまた!

こんばんは三井堂です。
まずはロンジンコンクエストクオーツETA255561から
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分解掃除でお預かりです。
やや液漏れあり、リューズからの浸水で機止めネジに錆がかなり出ています。
クオーツは動きの始点がステップローターと呼ばれる永久磁石なので、錆粉や鉄粉などが出るとこの磁石に付着して不調の原因になります。
この個体も錆の粉が大量に付着していました。
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リューズ交換で5気圧防水は確保できました。
機止めネジの錆び取り、機械部の鉄粉除去を行いました。
回路もマイナス端子部の液漏れを丁寧に取り除き、再利用しました。
分解掃除を終えて消費電流も適正値内になりました。

つぎ!シチズン手巻き
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干支足折れで入院していた個体
干支足修理と分解掃除の見積もりでお預かりしていましたが、バラしてびっくり2番車がポッキリ折れていました。
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見積もり段階でこれに気づけないのはさすがにアホでした。
幸い部品のストックを持っていたので交換を行います。
ただし二番や干支足が折れるほどの衝撃が加わったことは間違いないようで、穴石ブロックがずれてアガキがめちゃくちゃだったので調整を行いました。

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分解掃除を終えて歩度+15秒程度で調整中です。

つぎ!タグホイヤーカレラデイデイトSW220
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ちょっと見づらいんですけど三番車の穴石の穴が2倍くらいに広がっています。
割れか摩耗か傷見でしか確認していないので判然としません。
いずれにせよこれは交換ですね。
歯車の軸径はETA2824と一緒なので2824の3番穴石を移植しました。
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他の部品は特に摩耗などはありませんでした。
デイデイトの切り替わりが具合悪かったので調整を行いました。
振角280度、歩度+5秒程度で調整中です。

あとは先日のシーマスターアクアテラコーアクシャルをちょいちょい様子を見ていました。
停止状態からの復帰で引っ掛かることが極稀にあったのでもう少し部品を磨きました。
歩度は+10秒程度で余裕を持たせてあります。


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今日はここまでで終業時間でした。
明日はブルガリクオーツからやっていきます、それではまた!

こんばんは、三井堂です。
まずはオメガシーマスターコーアクシャルの続きから
2対のミーンタイムスクリューを回すことで慣性モーメントを変更して精度を調整します。
全体的にマイナスに触れていたので均等に調整して+5秒程度に調整してあります。
ロレックスのように4対あるのと比べると調子しづらい印象です。実測で精度を見ていきます。

つぎ!ボームアンドメルシエ手巻きプゾー7001
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ETA社に買収される前、プゾー社の銘の入ったETA7001手巻きキャリバー
分解掃除でお預かりです。
止まりがでるということでしたが、短針のクリアランスが微妙で少し文字盤に接触しているような感じでした。
古い手巻き2針のドレスウォッチなのでかなりシビアです。ケース厚6、7mmくらいなとこだと思います。
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油切れで摩耗していた2,3番車ホゾの研磨
香箱真アガキが過大だったのを適切な大きさに調整
他ヒゲゼンマイの水平出しなどを行いました。

分解掃除を終えて振角300度弱、歩度+10秒程度で調整中です。姿勢差もほぼなく良い状態です。
さすがに良い機械です、もうしばらくランニングテストしていきます。

つぎ!ロレックスGMTマスターⅡref16710
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GMT機能付きのモデル
キャリバーは3185です。短針早送り機構過渡期の機械です。幸い短針早送りはシャッキリしていたので分解掃除のみで対応です。
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ちらほら油切れの症状が見られました。
オートマ伝え車、二番車軸の研磨を行って分解掃除
振角300度弱、歩度+3秒程度で調整中。針ツケとケーシングまで行いました。
久々に31系のロレックスやりましたが相変わらず調子の良い機械です。

明日はシチズンの手巻き、ロンジンのクオーツあたりを施工予定です。
納期押しているのでがんばります。

それではまた!


こんばんは三井堂です。
オメガスピードマスターオートマの続きから
ベースムーブメントを先に組み立てて振角260度程度
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プッシャー付近に錆が見られます。
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秒カナウケ石に割れが見られたのでサイズのあう石を探して交換しました。
薬剤にて錆取りを行いました。
地板に打ち込んであるレバーの動きが錆で渋かったのですが無事改善されました。

組み上げて針ツケまで終えたところです。クロノグラフの動作も良好。
もうしばらくランニングテストしていきます。

つぎ!オメガシーマスターアクアテラコーアクシャルcal2500B
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8振動のコーアクシャル
分解前に90秒程度の遅れが出ており部品が心配だったので先にバラしてありました。
部品は概ね綺麗な状態でしたがコーアクシャルホイールとガンギ歯の接点にざらつきが出ていました。
顕微鏡で確認しながら研磨を行いました。
ベースを組んでアンクルまで注油して精度-20秒、振角290度程度まで回復しました。
ここから精度を調整していきます。

今日はここまでで終業時間でした、それではまた!

こんばんは、三井堂です。
まずはノモスラドウィッグの続きから
ゼンマイ外端が切れていたわけではありませんでした。
入っていたゼンマイの返しが切り欠きに対して長すぎてうまく巻きどまらない状態でした。

適切な返しのゼンマイに交換して事なきを得ました。実はETA7001はゼンマイと香箱に微妙な仕様の違いがあるんですよね。古いゼンマイは返しが長かったような気がします。

組み上げて振角300度弱、歩度+5秒程度で調整中です。
折れた機止めネジを造ったり失くしたり造ったりして午前を終えました。

次!オメガスピードマスタートリプルカレンダーETA7751
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少し湿気の痕は見て取れますが防水検査はクリアしています。
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ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
油はまだちらほら残っていましたが少し劣化しているようでした。摩耗していた一番芯上部を穴詰めにて対応しました。
リューズ根本に少し曲がりが出ていたので合わせて修正しています。
ケースに対して巻き芯長がかなり詰めてあるので少しの曲がりでもケースに擦れて巻心地が悪くなります。
振角270度超、歩度+5秒程度で調整中です。
12時間積算計の滑り、カレンダー切り替わりのタイミングなど7751特有のトラブルがないことも確認済です。
コレクターによる曜日の切り替わりも感触良好

つぎ!オメガスピードマスターオートマcal3220
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ちょうど4年前にOHを行っていた個体
湿気混入によるクロノモジュール側ツツカナの軋みによる不動でした。
クロノモジュールを外した途端ベースムーブメントは元気に動き始めました。
ベースムーブメントから分解していきますが、先にクロノモジュールにリセット不具合が出ていたので修正を行いました。

30分積算計へのリセットテンションが弱くなっていたので修正
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裏蓋のプラパッキン交換により日常生活防水は回復しましたが、パッキンが効いているリューズ先の巻真やプッシャー根元へ錆が出ていました。
防水性能のついてのお話はお伝えしようと思います。

錆とりとベースの分解まで終えたところで今日は終業時間でした。
休み明け木曜日はスピードマスターの続きからオメガ2500コーアクシャルの予定。
それではまた!







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