三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

2022年11月

こんばんは三井堂です。

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先にアンジェラスの調整を、カップリングクラッチを後ろから押すバネが弱かったので強めにしました。
合わせてホイールの噛み合いも再調整しています。
クロノの連続稼働も概ね問題なさそうなのでケースに収めて引き続きチェックします。

つぎ!エポスオートマクロノETA7751
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エポスの少し古いオートマクロノ
秒針がオミットしてあり2カウンター的な感じになっています。
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文字盤下のネジまで青くなっているのは結構珍しい気がします。
プッシャーが片側紛失していたので新規作成して取り付け済み 5気圧防水もOKです。
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前回の分解掃除8年ほど前でしたがほぼ摩耗なく良い状態でした。
組み上げて振角300度、歩度+5秒程度で調整して作業終了。

つぎ!ロレックスオイスターパーペチュアルcal1030
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少し古いオートマ
オートマユニットを取り除くと見慣れた出車タイプの機械です。
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オートマ機構も1570とほぼ似たような構造です。
油溜めが浅いので摩耗が心配でしたがまずまずのコンディション

他一番芯受けの摩耗の修正、二番車ホゾの研磨、地板ウケ穴の摩耗の修正を行いました。

洗浄後組み上げて歩度+10秒弱で調整中です。

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キングセイコー1st
先に折れネジ抜き、15分くらいで抜けました。
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機械は概ね綺麗な状態で、折れていた裏抑えのみ要交換です。
機止めネジは純正持っているはずなので組み終えたら交換します。
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同時並行でロンジン手巻きも洗浄
入荷待ちのゼンマイも入ってきたので明日さくっと組んでいきたいと思います。

それではまた!






こんばんは三井堂です。
まずはロンジンコンクエストオートマcal431
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8振動のムーブメント
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オートマ機構のレイアウトがオメガにちょっと似ているやつです。

分単位で遅れが出ているということで先にツツカナ車のカシメを調整してあります。
分針取り付け用の歯車ですがこれの取り付けが緩いと時計稼働と針の動きがズレていきます。
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デイトジャスト機構つき
昔の時計はデイトジャストのもの多いですよね、壊れやすいので個人的にあんまり好きじゃないですけど。
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!?
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元から折れかけていたと信じたいけどめちゃくちゃ細いので折れるときは折れるので…
cal431の部品は結構持っていたのですが、このネジだけはなかったので具合の良さそうなネジをタップ切りなおして使いました。
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ついでにショックバネも変形していてはまっていなかったので修正しました。
バネの根元に少し折れ癖もついているので前外した人がやらかしたっぽいですね。
機械部分は年式相応に多少の摩耗もありましたが概ね良い状態だったと思います。

3番車とオートマ伝え車のみホゾを磨いて組み上げ。振角300度弱、歩度+5秒弱で調整中。
デイトジャスト機能も31日分問題なく切り替わるのを確認済。
オートマ切替車も最初調子悪かったのですが何度か洗浄しながら処理液変えたりしていたら良くなりました。よかったです。
ランニングテスト中。

途中先日から様子を見ている2892入りポートフィノを施工
いい加減調子が悪すぎるので再度バラそうとしたところヒゲ持ちの接着がポロリと取れました。
縦姿勢で妙な遅れが出るのはヒゲ持ちの接着が取れかかっていたからでした。
接着も取れ方が良かったので再度綺麗に接着しなおして遅れの症状も改善しました。ケースに収めてランニングテストへ。

ヒゲの外端部の固定も昔は楔でしっかり固定していましたが最近は生産性重視で接着が多いですね。
ちなみに接着が取れたのは2回目、奇しくも前回もref3513のポートフィノでした。

つぎ!アンジェラス手巻きクロノ
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古い手巻きクロノ
cal名忘れてしまいましたが多分215です。
ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。

バルジュー72みたいな感じでリセットハンマーをリセット後に引き戻す構造ですね。
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センターホイール停止レバーと角穴車を固定するネジが共通なのが独創的です。

機械は年代相応でぼちぼち摩耗がありました。2番車のホゾ研磨と上下ウケ穴詰め 一番芯受け穴詰めなどなど
ヒゲゼンマイもかなり偏りが出ていたので同心円かつ水平になるように調整。

ゼンマイはサイズ的に57用の手巻きゼンマイがちょうどのようで、外端部だけ香箱内壁に掛かりやすいように加工してしっかり適合しました。
分解掃除後、クロノ非稼働時で振角280度ちょっと出ていたので合わせゼンマイの強さもまずまず良いみたいです。ヒゲゼンマイの調整も上手くいき姿勢差もほぼなく歩度+10秒くらいで調整できてます。

針付け前にクロノ非稼働時の稼働時間を、その後クロノの連続稼働をチェックしていきます。

火曜日はこれにて終業でした。それではまた!

こんばんは三井堂です。
まずはセイコーロードマーベル5740Cから
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57手巻きベースのハイビートムーブメント
ゼンマイ交換と分解掃除でお預かりです。
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ゼンマイが切れた衝撃か、アンクルの爪も外れかけていたのでシュラック留しなおしました。
画像のは少しシュラックを盛りすぎたので後から調整しています…。
ヒゲゼンマイの調整も行って歩度+10秒程度で調整中です。
もう少し精度詰められそうだったのですが、ヒゲいじりがドツボにはまりそうだったのでとりあえずここらへんから調整していきます。

つぎ!グランドセイコーオートマハイビート9S85
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通常の8振動ムーブより歯車が1つ増えています。
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比較的油も残っており綺麗な状態でした。
一体型のカレンダーレバーがややバネ性が弱くなっていたので強めに調整しなおし、日付の切り替わりがしゃっきりしました。
他は特段問題なく分解掃除も終わり歩度+5秒弱で精度調整中です。

つぎ!IWCポルトギーゼオートマ
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7750ベースの縦2つ目のクロノグラフ
6時位置に秒針が来ています。
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比較的シンプルな追加モジュールで3番車から動力を経由しています。
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洗浄機へ
一番ウケの摩耗だけ穴詰めしています。
モジュール付近意外は特に7750と変わりないのでさくさくと施工終了
針までつけ終わってからリセットハンマーの規制バネが弱まっていることに気づき交換しました。
しっかりとクロノ針が帰零するようになり一安心。
歩度+5秒程度で調整中。

最後に休み明けのためにバラシまで
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IWCアクアタイマークロノです。
これは通常の7750ママですね。例によって一番ウケ穴詰めしてバリ取り
洗浄機へ
既にパッキン交換防水検査研磨他終わっているのであとは機械を組むのみです。
それではまた休み明けに!




三井堂です。
まずはIWCポートフィノref3513
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90年代のポートフィノ
きっと相当売れたモデルだと思います、修理にもかなりの頻度でお持ち込みいただいている気がします。
ケース構造的に錆が出やすく防水不良の個体が散見されます。
この個体は3気圧防水も効いていて一見綺麗ですが、かなり油切れが進行しており3番車の下ホゾが完全になくなっていました。

他の歯車もあまり状態は良くなく、3番を交換したものの精度に少しふらつきが出ています。
調整してマイナスに触れないようにはなっていますが完全な状態を目指すと部品交換かなり必要なのでちょっと様子を見ながらアレします。

つぎ!オメガシーマスターGMTcal1128
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GMT機能つきのシーマスター
短針早送りが効かないとのことでお持ち込みいただきました。
昔はETA2893使っていた気がするんですけど、中を確認したら2892ベースに自社モジュールの載ったものでした。

現行のツインバレルタイプと同じで筒車の内部の刻みをバネで乗り越えていくというもの
↑のようなバネですが見てわかるように華奢でよく壊れます。
交換を行って機能回復しました。交換の手順はcal8500と一緒です。
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組み上げて振角300度、歩度はこれから調整していきます。

つぎ!オメガシーマスターオートマcal565
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店売用のシーマスター
歯車に摩耗がちらほら、天真も下ホゾが減っていました。
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純正パッケージ入りの歯車
今となっては大分貴重なような気がします。何個か卸して交換しました。
いつかホゾ立てして再利用しなきゃなcal550系の部品がどんどん溜まっていきます。
天真も交換して分解掃除
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分解掃除を終えて現在精度調整中。
ヒゲも結構調整したのでテスター上ではまずまず精度出ています。
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ブレスまで取り付けてランニングテストしていきます。内径18cm程

今日はここまでで終業です。
休み明け木曜日はタグホイヤーカレラ、ロードマーベルハイビートあたり施工予定です。
それではまた!





こんばんは三井堂です。
まずはsinn手巻きクロノ(ETA7760)から
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7750の手巻きver
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プッシャー軸取れでお持ち込みいただきそのまま一緒に分解掃除でお預かりしました。
パッキンとワッシャーがなくなっていたので適当なものを合わせました。
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両側とも軸部に曲がりがあったので修正済
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カレンダーも通常の7750と変わりないですね。
ヒゲゼンマイがかなり内当てになっていて姿勢差の原因になっていたので、ヒゲの外端部の修正と全体的な形状の修正を行いました。
振角280度、歩度+10秒程度で調整中。

つぎ!ブランパンレマンオートマcal1150
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フレデリックピゲ製ツインバレルのオートマです。
ベーシックな3針+カレンダータイプ
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6振動の為特に大きな摩耗などなく良い状態だったと思います。
カレンダーバネが弱くなっていて切り替わりがイマイチだったので強めに調整しなおしました。
防水検査まで終えたケースに収めて精度調整中です。

つぎ!IWCオートマcal854
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4年弱前にウチで仕上げたIWC、定期的なOHでお預けいただきました。
非常に状態もよく問題ありませんでした。
ツツカナだけやや弱めに調整しなおして分解掃除終了。現在ワインダーにかけて稼働チェック中です。

最近割とバタバタしていて作業は進めていますが写真撮れていませんすみません…。
休み明月曜日はIWCポートフィノ、スピマス手巻きから施工予定。
ポートフィノはかなり使い込んでいて3番の軸がほぼなくなっていました。部品交換の了承待ちです。

それではまた!






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