三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

カテゴリ: ロレックス

こんばんは三井堂です。
まずはオメガスピードマスターcal1164
IMG_3117
ETA7750ベースのクロノグラフキャリバー
油切れによる鉄粉がちらほら目につきます。
スクリューバック式のケースで防水は100m、従来のスピードマスターオートマだと目立つパーツの腐食変色はほとんど見られません。
IMG_3118
切替車、オートマ伝え車付近に鉄粉が見られましたがすべて部品は再利用可能でした。
部品の変色を落とす手間がないので普段のスナップバックのSPMより楽ですね。
非常に綺麗な状態だったと思います。
IMG_3119
組み上げて振角300度弱、クロノグラフのリセット不具合、12時間積算計の滑りなどは出ていません。
歩度+5秒で調整中です。
防水検査と研磨を終えたケースに収めてランニングテスト行きです。

つぎ!ロレックスGMTマスターⅡ(cal3186)
IMG_3121
オイスターブレスのGMTマスターⅡ、青黒ベゼルの通称バットマン
31系GMTムーブメントの最終形3186が搭載されています。
数々のリファインを繰り替えされてようやく短針早送りバネ折れはなくなったようです。
IMG_3120
細いですがしなやかなバネで短針早送りを規制します。
各メーカーこのバネの耐久性に難があるようで、パネライやオメガなどの新型キャリバーも早々にこのバネが駄目になっている個体を散見します。

IMG_3122
見積もり時はいけると判断しましたがローター真の摩耗が深刻だったため交換としました。
沢山時計をお持ちの方でワインディングマシーンをお使いの方も多いと思いますが、そうやって使ってきた個体は概してローター真が摩耗します。
使わないか頻度を落とすことをお勧めしています。

ローター真の交換他分解掃除を行って振角300度弱、歩度0~+3秒で調整中です。
既に防水検査とケース研磨を終えているのでケースに収めてランニングテスト行きです。
短針早送りもしっかりとした手ごたえ、GMTと短針の位置関係もばっちりです。
今日はここまでで終業としました。
明日はセイコーの7Tクオーツクロノ、ロレックスGMTマスターcal3175の施工予定です。
それではまた!

こんばんは三井堂です。
まずは店売用のロレックスデイトジャストref1601
IMG_2936
ハック機能つきの1570です。
ローター真の摩耗による機械外周部の傷などもなく美しい状態です。
IMG_2937
機械を全部ばらしたところ
出車の平ブレなどもなし、摩耗痕のついていたオートマ伝え車と軸ウケの焼けたメタルは研磨剤を使ってスムージングしてあります。
IMG_2938
振角、歩度ともに上々、日差+10秒弱になるように調整していきます。
IMG_2944
防水もしっかり10気圧効いています。パッキン風防交換済。
内装部品はゼンマイのみ交換他フルオリジナルです。
久々に良い個体が入りました、10日~2週間程度チェックして販売開始予定です。

つぎ!オメガシーマスターcal565
IMG_2942
分解掃除でお預かりの個体
竜頭2段引きでカレンダーが早送りできるタイプのムーブメントですが、早送りで途中でつっかかります。

IMG_2940

IMG_2941
早送りを司る部品が非純正のものが使われていました。
左が純正、右が非純正です。
幸い純正パーツのストックがあったので交換します。動作チェックも行いちゃんとカレンダーの早送りが機能することも確認済です。
IMG_2943
輪列を中心に油が乾いており、二番三番のホゾは油切れで赤くなっていました。
軸自体は減っていないので再利用します。
他一番芯を受ける下部に摩耗があったので穴詰めと、穴のがさつきがあったのでスムージングを行いました。
洗浄とエピラム処理までかけ終わっているので明日組み立てを行います。
明日はスピードマスターオートマと別のcal1000系のオメガオートマまで施工したいと思います。
それではまた!

こんばんは三井堂です。
まずはロレックスデイトジャストcal2235
IMG_2907
レディースのロレックス
最近は2135が続いていたので懐かしい気分です。
IMG_2906
2135はカレンダーディスクの中心に人工ルビーがセッティングされ、それが直接本剣車と擦れる構造になっていました。
2235ではまた一般的なカレンダー機構に戻りました。
IMG_2908
部品の摩耗などはほとんどなく綺麗なコンディション
ただしオシドリのピンが抜けてしまうのでこちらは交換になりました。
分解掃除を行って振角270度、歩度+5秒で調整中です。

つぎはオメガスピードマスターオートマチックcal3220
IMG_2909

IMG_2910
二階建てのオートマモデルです。
サファイアガラス、中留もプッシュ式になっている後期型ですね。
機械は非常に綺麗です。
ここまで綺麗なcal3220もなかなかお目にかかれないと思います。

針を外す前のチェックでもリセットの不具合はなさそうです。
分解していきます。
IMG_2911
IMG_2912
IMG_2913
油は綺麗に乾いていました、摩耗なども一切ない状態です。
こちらも通常の分解掃除で対応可能でした。
振角270度、歩度+5~10秒で調整中です。
例によってブレスピンが5本程度緩んでいたので交換済です。

つぎ!キングセイコー45手巻き
IMG_2915
10振動のハイビート45手巻きです。
今回はゼンマイ切れからのそれに伴う部品交換と分解掃除でお預かりです。

45のゼンマイは非常に強く、ゼンマイが切れると香箱、2番、3番あたりまで壊れることがあります。
別スタッフの事前の見積もりで香箱の歯がかけているということで、社外の香箱を手配していました。
IMG_2916

IMG_2918
っておい!!
思いっきり二番と三番折れてんじゃないの…。
幸い部品のストックは持っているので交換することにします。
IMG_2919
社外の香箱は一番芯との横アガキ、蓋とのしまりぐあいOKでした。
ゼンマイは内端が一番芯に対して大きいので絡むように加工しなおしました。

分解掃除を行って歩度+10秒程度で調整中。
裏蓋パッキンの交換と接着が甘くなっていたガラスの再接着を行いましたが防水効きませんでした。
ベゼル下の分厚い段付きパッキンが劣化していますが、残念ながら手配不可につき非防水仕様でお使いいただくようになります。

最後はカルティエクオーツです。
IMG_2920
ネジ止めで電池を止めるタイプ
少し古いクオーツですね。
消費電流は適正範囲内で回路コイルともに異常はないようです。
IMG_2921
ケースから少し錆の粉が出ており、ステップローターに付着して動きを阻害していました。
輪列部分の油も殆ど乾いており分解掃除のタイミングだったと思います。
こちらもリューズパッキンが劣化しており、短時間の防水なら効きますがこれまでよりかは汗水に注意いただくほうが良いと思います。

分解掃除、針つけ、ケーシングまで行いました。

今日はここまでで終業、それではまた休み明け木曜日に!









こんばんは三井堂です。
IMG_2825
ローター真が摩耗していたロレックスの修理完了です。
外周部に少し削れが出ていましたが洗浄の結果まずまず目立たなくなったと思います。
振角300度、歩度+5秒で調整中。

つぎ!オメガスピードマスターオートマ(ETA7750)
IMG_2826
分解掃除とゼンマイ交換でお預かり。
かなり湿気の影響が見られます、ミニッツレコーディングホイールも変色しています。
IMG_2827
さきにこの歯車だけ薬剤をつかって表面を綺麗にしておきした。

IMG_2828
IMG_2829

IMG_2832
修正が必要な摩耗はありませんでしたが、湿気によって歯車の間に緑青が発生していたので除去しました。
他のプレート類はステンレスメッキの下の真鍮部分から腐食しているため、完全に艶を戻すことはできませんでした。

防水検査はしっかり5気圧効いていたのでもう少し水には気を使っていただくとなお良いと思います。
リューズ根本巻き芯の錆も除去済み。

分解掃除を行って振角300度、歩度+5~8秒で調整中です。
ブレスのピンも本来パイプピンの所を割れピンなどが入っていてゆるくなっていたので交換してあります。

今日は入荷してきた新品の時計の整理作業のため修理はここまででした。
あとは休み明けの修理の為の下準備です。
IMG_2837
IMG_2838
針が腐食していた為、針の研磨と再メッキからの夜光の色合わせです。
調色には白の夜光塗料に水干絵具を混ぜています。
着色して乾燥させた泥素材の絵具ですが色も出しやすくムラも出ないので重宝しています。

休み明けには塗料も乾燥しているはずなのですぐに分解掃除に移ります。
それではまた!

こんばんは三井堂です。
まずはブルガリエルゴンオートマ(ETA2892)から
IMG_2773
ETA2892搭載
ワインダーにかけて保管していたが動かないということでお預かり。
IMG_2771
部品の破損や摩耗、アガキの不足などはありませんでしたが、アンクル爪の油がすっかり乾いている状態でした。
最近では新品購入の際にワインダーがプレゼントされることもあるそうですが、保管時もワインダーにかけっぱなしというのはウチではあまり推奨していません。
巻き止まりまで行っても無理やり巻き上げ続けてしまうので、香箱内壁の摩耗、オートマ機構の部品の摩耗などが特に懸念されます。

使用状況によっては腕につけているだけでは巻き上がらない場合は、寝ている時だけワインダーにかけるとかある程度頻度を減らしてうまく使っていくと良いと思います。

IMG_2772
幸いこの個体は他の部品の摩耗が進行する前に止まっていてくれていたのでラッキーでした。
アガキ、摩耗のチェックを行って洗浄
ザラの回転もスムーズで問題なさそうです。
分解掃除を行って振角290度超、歩度+10秒程度で調整中です。

つぎ!ブローバ手巻き
IMG_2775
分解掃除と裏抑え交換でお預かりです。
最初は造りでお預かりしていたのですが、ユニバーサルのcal42であることがわかり潰しから裏抑えを移植することにしました。
IMG_2774
IMG_2776
無事交換部品が見つかったので分解掃除を行っていきます。
歯車のホゾが細く華奢ですが重篤な摩耗などもなく分解掃除のみで対応できそうです。
少し摩耗が進行していた二番車のホゾをスムージングして洗浄。
ゼンマイにややヘタリが見られますが、使用頻度も少ないとのお話だったので今回はこのまま再利用とします。

分解掃除を行って振角230度、歩度±0秒で調整中です。

つぎ!ロレックスデイトジャストcal2135
IMG_2779
cal2135、ボーイズサイズのお時計です。
ローター真の交換と分解掃除でお預かりです。
先にケースの研磨とパッキン交換した上で防水検査をクリアしています。

IMG_2780
ローター真の摩耗、二番に軽い摩耗が見られました。
真は交換、二番車はスムージングして再利用としました。
パッキンが下手っていたこともあり、少し内部に湿気混入の痕跡が見られました。

分解掃除を行って振角290度、歩度+5秒で調整中です。

つぎ!62グランドセイコーオートマ
IMG_2787
前回お見積りでばらしていたもの
ツヅミ車も無事部品が見つかりました、ちょっと高くつきましたが。
ご了承いただいたので作業を進行します。

今日は時間もおしているので分解と洗浄まで行って終業でした。
続きは明日です、洗浄の途中で一番芯受けの穴石が割れているのを見つけたので明日また石を入れ替える予定です。
それではまた!







このページのトップヘ