三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

カテゴリ: エルメス

こんばんは三井堂です。
まずはエルメスクオーツから
小径のETAのクオーツ
文字盤の色に合わせてカレンダー板もカッパー色になっているので、ちゃんと分解掃除で対応していきましょう。
IMG_2543
油はすっかり乾いている状態でしたが、機械は綺麗な状態でした。
回路なども通常の消費電流だったのでそのまま流用しています。
分解掃除を終えて、防水検査を行って研磨洗浄したケースに収めてランニングテスト行きです。

つぎ!GSXオートマ
IMG_2545
セイコー系の機械が搭載されています。手巻きと秒針停止機構つき
マイクロブランド系でしょうか、調べてみると去年にブランドがなくなっていたみたいです。

今回は防水もしっかり効いていますし、外装部品の破損などはないので当店での対応が可能です。
IMG_2544
ノンデイトモデルですが、カレンダー機構はつきっぱなしです。
IMG_2546
IMG_2547
一番芯受けには人工ルビーは使われていませんでしたが、特に摩耗などもなく非常に綺麗な状態でした。
IMG_2548
分解掃除を行って振角250度、歩度+10秒弱で調整中です。

つぎ!ロレックスサブマリーナデイトcal3135
IMG_2549
オートマユニットのネジが緩み、ローターと接触し鉄粉が機械全体に散っています。
大体こうなると止まるということでご相談いただくことが多いのですが…、普通に使えていたそうです。
IMG_2550
鉄粉を除去後、通常通りの分解掃除を行いました。
ユニットのネジはネジ山、穴ともにしっかりしていましたが、念のため嫌気性の接着剤を軽く塗布した上で〆こんであります。
振角300度、歩度+3秒で調整中です。
ベゼルの回り具合があまりよくないのでベゼル下のバネを注文中、届き次第交換します。

つぎ!セイコーSCUBAオートマ6R15
IMG_2551
指紋だらけで針がぐちゃぐちゃなセイコーダイバー
不動ということでお持ち込みいただいて、短針と文字盤の接触が原因かと思いきやそうではありませんでした。
針はハカマがゆるくなっていたので先に詰めなおしてあります。
IMG_2552
IMG_2553
時間も押していたので機械は軽くバラすところまでで終業でした。
不動の原因は油切れとカナ間のごみでした。
全体的に非常にコンディションが良くないです。

既にケースの洗浄とガラス交換、防水検査は終えているので機械は明日仕上げていきます、それではまた!

こんばんは
まずはエルメスクリッパークオーツから
IMG_0203
リューズ交換とチューブ合わせでお預かり。
ちょうど1年前に水入りで修理した個体でした。純正リューズは手配できたのでチューブを削って加工しました。
エルメスのチューブは差し込んでいるだけなのでリューズと一緒にスポッと抜けてしまったようです。
IMG_0205
巻き芯も錆びていたので合わせて交換です。3気圧防水は確保できていますが心配なのでもう一回OHしておきます。
消費電流0.76μA、問題なさそうです。もうしばらくランニングテストしてご連絡予定です。

つぎ!IWCオートマcal8541B(店売用)
IMG_0206
85系にしては珍しくゼンマイが切れていました。
部品は概ね良い状態、一番芯下部のウケが軽く摩耗していたので穴詰めで対処しました。
土手ピンの曲がりを修正してから洗浄
IMG_0207
組み上げて振角300度、歩度+10秒で調整中です。
針の状態が良くなかったのでメッキを落としてから再度SSメッキをかけなおします。
メッキが上がってくるまでしばらく待ちです。

つぎはエルジンオートマミッキー
IMG_0209
(よく見ると腕の長さが怖い)
一か月ほど前にOHを終えた個体、カレンダー回りに非純正パーツが使われていたため、カレンダー機能が使えないというお話をしたところ、追加費用をご了承の上でパーツを取り寄せて交換することになりました。
IMG_0208
フォンテンメロンcal909パーツセット…こんなにいらないんですけど…
一番安かったのがコレでした。右下のパーツ3点が交換用部品です。
カレンダー板もプリントが剥げて汚なかったので一応綺麗なものに交換しました。
無事カレンダーの機能も復活です。
IMG_0210
無駄に精度が良いミッキーウォッチ笑
ひげゼンマイの調整が覿面に効いたようです。
もうしばらくランニングテストしてご連絡予定です。

休み明け木曜日はオメガcal565とセイコー6Rを施工します、それではまた!



本日もやっていきます。
まずはラドー手巻きからです。
IMG_0530
プゾー7001です。天真の摩耗が著しく交換が必要になりますので今回はテンプ以外のパーツを調整しておきます。
一番芯ウケの摩耗、二番車のホゾの摩耗が見られたので、穴詰とルーターでの研磨で対処しました。
二番は地板に人工ルビーが埋め込まれてるので研磨しすぎると大変なので慎重に、でも効果的に。
組み上げて天真造りの外注へ出します。

次いきます。
エルメスオートマスケルトン(ETA2892)
IMG_0531
OH前の歩度です。
ポジション/振り角/歩度
①表/260°/-25sec
②裏/231°/-34sec
③3U/233°/-20sec
④6U/233°/-40sec     
⑤9U/230°/-35sec
⑥12U/230°/-25sec

OHから6年たち全体的にかなり遅れ気味になっていました。
部品をばらしつつ摩耗を見ていきます。
IMG_0532
地板の大半が穴抜きになっているので、ネジの締め込み方緩めかたには細心の注意を払います。
平たい機械台に乗っけるのがベストですね。
各部の摩耗も見られず良い状態でした。OHと消磁を済ませ歩度調整をします。
OH後の歩度
ポジション/振り角/歩度
①表/330°/+10sec
②裏/336°/+11sec
③3U/296°/+0sec
④6U/300°/+0sec     
⑤9U/320°/+4sec
⑥12U/310°/+3sec
というような結果になりました。やや姿勢差がありますが実用範囲内かと思います。
しばらくランニングテストして実測の日差を見ていきます。それが済んだらワインダーで自動巻き機構の確認をします。

この時計を修理していたら、中学生くらいのころ、ウチで販売していた2824かなにかが入っていたeposのフルスケルトンモデルが欲しくてたまらなかったのを思い出しました笑
結局その時は妥協して裏スケのプゾー7001が入っているのを買ってもらったんですけどね。
今ならスケルトンモデルとか考えられないですね、テンプの振りがちょっとでも悪かったら気になって中ばらしたくなっちゃうもんな笑

そんなわけで今日はこれにて終業でした。明日はクオーツとオメガの手巻きを施工予定です。
それではまた明日!

このページのトップヘ