三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

カテゴリ: モーリスラクロア

おはようございます。
まずはモーリスラクロアポントスオートマ
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最近アイコンが売り上げ好調なモーリスラクロア、すでに売り上げの半分をアイコンに依存しているんだとか。
ラグジュアリースポーツブームに一番上手く乗っかれたメーカーかもしれないですね
先日CEOのインタビューを見たら、魅力的な価格が売りなのに2000年前後に高額モデルをリリースしすぎたのは失策だったと話していました。
一昔前はユニタスや2824にモジュールのせて50万円でしたからねぇ、そこからブレスモデルで定価20万円へ舵を切るのはすごいですよね。

さて、修理の話に戻ります。
搭載キャリバーはセリタ社SW200、ETA2824の互換品になります。
3年前にうちでOHしていましたが少し遅れが目立つということでOHです、
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オートマ部分に少しだけ摩耗がありました、セリタのオートマウケは油だまりが小さいので乾きやすいんでしょうか…エピラム処理は必須かもしれません。
あとはヘタったゼンマイも交換して分解掃除を行いました。
くみ上げて振角280度、歩度は+10秒くらいで調整中です。
お客様に指摘されていた針の汚れも除去済みです。しばらくランニングテストを行います。

つぎ!ロレックスオートマ(cal1560)
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素性のよくなさそうなロレックス、です。殆ど不動の状態ですがどうも内部の錆が原因のようです。
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錆びている部分を研磨剤を使ってスムーシングしていきます、又一番症状が深刻だった四番カナはグラスファイバーを使って全面に沸いた錆を落としました。

摩耗が顕著だった二番車も研磨して、地板の受け穴も詰めなおしました。
とりあえずこれでなんとか動いてくれそうな感じです。
今日はこのロレックスを仕上げた後、デイデイトつきのセイコークラウンを施工予定です。
それではまたー

おはようございますー。
ちょっとバタバタしていてあまり仕事のほうが進んでおりません。

まずはオメガダイナミッククロノ
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calは1138。
12時間積算計が廃されたツーカウンタークロノです、1990年ごろのモデルでしたっけね。
お預かり時にクロノセンター針のリセットがまったくきかないことを確認済です。
面白そうなので私がやることにしました。

普段はSPM手巻きを使っていてあまり使っていないというお話の通り、ベースキャリバーの状態は非常に良好でした。ネジの曇り一つなし。
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一番芯上下のアガキだけまったくない状態だったので、こちらはウケの金属枠を動かしてアガキを作りました。
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続いてクロノモジュール、こちらも非常にきれいな状態です。
クロノセンター針を外す時にかなり感触が緩かったので、リセット不良はハカマが原因とあてこんでとりあえずは通常通りにOHしました。
…が、やはり同じように不具合が出てしまいます。
リセットテンションをかけちた状態でクロノグラフホイールを観察すると、30分積算計はしっかりハンマーが届いていて60秒のほうは届いていない状態でした。

この機械はハンマーで3点(今回は2点)同時にリセットをかけるんですが、ハンマーの具合でそれがずれることがあります。
今回はそのケースでした、何回か調整して同時に且つ同様の強さでリセットがかかるように調整しました。
ベースキャリバーを合体させて現在ランニングテスト中です。

つぎ!モーリスラクロアビッグデイト(ETA2892ベース)
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2か月前にOHしたモーリスラクロアですが雨天時に使用し水が入ってしまったということでOHです。
再度防水検査しましたが規定水圧の50M防水はクリアしていましたので、そのままOHです。
巻き芯回りに少しサビが出ていたので除去してから分解していきます。
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特に調整箇所等もなくOHして終わりです。ケーシングして現在ランニングテスト中です。

木曜日は61GSの調整とゼニスエリートの施工予定です。

こんばんはーまずは
モーリスラクロアオートマビッグデイトから
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ETA2892ベースでビッグデイトモジュールが追加されているものです。
非常にテンプの振りが弱い状態でしたが…
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三番車についた出車から動力を経由してスモールセコンド化しています。
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秀逸なビッグデイト機構です。カレンダー板の上に歯が4つついたディスクを乗せ、その歯が上の十字型のディスクを一定間隔で送っていきます。
シンプルで故障のない機構です、素晴らしい。ムーブメントの外周にしかビッグデイトを表示できないのと、デイトの1の位と10の位に高さの違いは出てしまうのが難点といえば難点ですが。

ベースムーブメントのほうは油切れが深刻で,2番車のホゾが大分減ってしまっていたのでこちらは交換しました。その他は問題なさそうです。
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2892に限らずエボーシュをベースにモジュール(パワーインジケーターやビッグデイト、GMT)を追加しているものは一番芯、二番車、三番車から動力を経由させているものが多く、これらの部品は市販品とは異なった形状をしています。
万一ソレが摩耗して再利用不可能なレベルになっていても部品手配はできませんので、その手の時計はこまめなメンテナンスをお勧めします。

部品の洗浄を行って組み上げ、振角250度程度、歩度+10秒程度で調整中です。
スモールセコンドモジュールのせいでやや振りが弱いですがこんなものだと思います。
しばらくランニングテストします。

つぎ!カリブルドゥカルティエ
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一時期めちゃくちゃ流行りましたよねこの時計。搭載ムーブメントはカルティエ自社キャリバー1904-PSMC。
ツインバレルのマジックレバー式オートマチックです。

お預かり時にムーブメント上に鉄粉が大量に見受けられ、部品交換が必要であればメーカー出しということでお預かりしました。
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マジックレバーの油が乾き、そこから鉄粉が出ていたようです。ホゾのダメージは僅少だったので再利用可能と判断してそのまま分解を続けます。
というかマジックレバーへ注している油が軽すぎますよね…、セイコーなんかモリブデングリスべっとり塗ってますけどねぇ、やっぱりそれだけ摩耗する箇所なんだと思います。
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幸いほかの部分はダメージはありませんでした。
洗浄後調整してからベースムーブメントまで組んで振角300度弱、歩度も安定しているので明日カレンダー側を組んでケーシングまで済ませたいと思います。

それではまた明日!


本日もやっていきます。
1本目はエポスオートマ(ETA2824)
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初OHみたいです。湿気が混入した形跡があり、歯車のカナや輪列ウケに緑青が多くみられました。
薬液と洗浄で緑青はきれいに落ちました。
汚れの下に緑青が生えていたので部品の痛みもなく状態としてはよかったです笑
しっかり磨いて振角270° 振りは2824にしてはやや弱いですが姿勢差もなくよく精度が出ているので良しです。
乾燥させたケースに入れてワインダーに設置してオシマイです。

つぎ!モーリスラクロア(ユニタスベース)
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パワーインジケーターとポインターデイトがついたモデルです。
ポインターデイトはプッシュボタンで早送りできるタイプですね。
ベースキャリバーの上にインジケーターとカレンダー早送りモジュールが載ってます
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初OHっぽいのにモジュールウケがクソ汚いです…。ヘアラインも適当だし製造上のアレなんでしょうか、なワケないか。
スモールセコンドのハカマが長かったので、モジュールにスモセコ機構は組み込まれいないのはすぐにわかり、無理にバラス必要もないとは思ったんですが…
(先日やった2892ベースのユリスナルダンは、モジュール内にスモセコ機構が組み込まれていたので分解掃除必須でした)
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真ん中からちょっと左にある穴に香箱からトルクを受けるカナが来まして、それがモジュールに動力を伝えます。
要は手巻き50回分くらいの回転を120度くらいの針の動きにトルク変換するために、こんだけわちゃっと歯車があるわけですね。
あとはポインターデイト針の刺さる歯車の位置ギメレバーと送りレバーがあります。

今日はサクッとモジュールの分解掃除と他部品の洗浄まで済ませて終業時間でした。
明日続きをやる予定です。
それでは!
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機械部分の画像載せ忘れてました。ネジやウケに傷がないので恐らく初OHなんですよね。
モジュールの傷はなんだったんでしょうか…。

お久しぶりです!
最近ちょっとホームページのリニューアルをしようかと考えてまして色々やっていました。
今日はリニューアル業者の方と話しをして具体的な案を提案してもらいつつ見積をとってもらいました。
金額がこちらの想像よりかなり高いものだったので、代行の線はほぼなくなりましたが草案を見せてもらったことで問題点が可視化され方向性が見えてきました。

昔ながらの手作り感が良いねという意見もちらほら聞きますが、思い切ってリニューアルをしようと思います。
修理日記やへとへと日記は維持した状態でうまく現代風にリファインできればいいなぁと考えています。
具体的な構成はほぼ完成しているのであとはホームページビルダーとかいうクソソフトをつかっていかにうまくアウトプットできるかにかかっています…。
がんばろう。

しばらく更新ができていませんでしたが修理もぼちぼちやっています。
というか状態の良いものばかりやっていたので記事にしづらかったというかなんというか笑
まずはモーリスラクロアクロノデイデイトです。
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7750ベース…いつものクロノグラフですね。
少しサビの影響が出ていて、ネジの隙間にサビが詰まってまったく締まらない状態だったのできれいに掃除しました。
それ以外は特に突っ込みどころがありませんでした。あ、裏蓋ネジが真っ黒に錆びていたので1本新規造りしているところです。
精度は申し分なく出ています。

次!オメガシーマスターオートマ(cal2892)
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ETA2892ベースのアレです。
5年前に他所でOHしているみたいです…が酷い仕事ですねぇ。
オートマユニットに思い切りドライバーかなにかでひっかいた後があります…。珍しいとこに傷つけるね笑って笑ってる場合じゃないや。
ばらしていくと歯車には油がビシャビシャに散って乾いたような跡がありました。これだけ油散ってるのにヒゲに付かないなんて悪運が強いですね…。
乾いた油をきれいに洗浄して組み上げ、振角も280°近く出ておりオートマチックも問題なく機能しています。日差もワインダーで稼働させて+5秒くらいに落ち着いてます。

つぎ!IWCマーク15(ETA2892)
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ETAベースのマークシリーズでは目下一番人気の15です。
デイトの位置も気にしだすと確かに気になるんですよね。
そういえばこないだ日本橋いく用事があったんで大丸でIWCの現行モデルを見せてもらったんですが、マークシリーズとインヂュニアだけ見てたのが珍しかったのか、ポルトギーゼの説明ばっかりしてたんであきちゃいましたよ、ここ見に来る人の7割はポルトギーゼ目当てです と売り場のお兄さんがこぼしていました笑 閑話休題。
振角が極端に落ち、1日5分以上遅れるような状態でした。
一番芯上下ウケの摩耗が見られたのでそこを修正して組み上げ。振りもよく出ていますし調子が戻りました。
歩度は+2秒くらいで調整しちゃったので様子見つつもう少し+に振るかもしれません。

つぎ!ロレックスサブマリーナ(cal3135)
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ロレックスも今となってはそんなに積極的にやったりしないんですが、ちょっと試したいことがあったので久々に。あ、針の抜き方をちょっと変えただけですしょーもないですね。
3135にしてはめずらしくビートエラーが大きめに出ており日差も+30秒くらいになってました。
部品の状態は比較的よくそのまま通常のOHを行って組み上げました。ビートエラーもしっかり修正して歩度も+5秒くらいに調整できました。
ケーシングして様子みます。

明日は定休日です、木曜日はシーマスターあたりからやる予定です。それでは!




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