三井堂時計修理にっき

船橋市の時計屋三井堂(http://www.mitsuido.com)での時計修理の様子をお届けします。    修理の依頼、相談は(ikezaki@mitsuido.com)まで。

カテゴリ: ジン

こんばんは三井堂です。
まずはsinnEZM3から
IMG_2351
レフティ仕様でリューズが左側についているモデル
ドイツの特殊警察正式採用のもので、リューズが左についているのは銃火器の誤作動を防ぐためだそうです。
搭載するのはETA2824-2
パワーリザーブは40時間程度ですが堅牢な機械でよく巻き上げます。
IMG_2352
ツツカナ車シャフト内、中央チューブ内に緑青が見られました。
油切れによるものだと思いますがしっかり除去してあります。
80000A/mの耐磁性能があるので内部部品には一切磁気はなく、錆なども見られませんでした。
少し2番車に摩耗が見られましたが再利用可能と判断し再利用しています。

組み上げて振角290度、歩度+10秒で調整中。

つぎ!ブローバ手巻き(ETA1000)
IMG_2353
つい最近も施工した気がしますが…。
裏抑え造りと分解掃除でお預かりしていましたが、よくよく見てみたら香箱の蓋がありませんでした…。
部品単体での手配はできなかったので、海外からムーブメントごと手配して裏抑え交換と香箱蓋の移植を行うことにしました。
2週間ほどでムーブが届きまして本日から施工開始です。
IMG_2354
部品の状態は良し、洗浄とザラまで組んで本日終業です。
一応午前中には水入りのデイトジャストを施工していますが写真撮り忘れたので割愛…。

明日は3年前にOHさせていただいたcal1570デイトジャストをリューズ交換のついでに定期メンテナンスとしてOHです。
それではまた!

こんばんはー
まずはジラールペルゴリシュビル(cal1872)
IMG_0068
店売のリシュビルです。久々にいい出物があったので仕入れてみました。
白文字盤で状態が良いのは結構レアなんですよね。
搭載キャリバーはレマニア1872、スピードマスターにも搭載されている手巻きクロノキャリバーから12時間積算計回りをオミットしています。
スッキリしていてこちらのほうが好みです。顔も個人的には2カウンターのほうが好きです。
IMG_0069
摩耗も少なく良いコンディションでした。油も少し残っていました。
ひげゼンマイの調整を少し行って実稼働で日差+5秒くらいです。クロノ作動時の精度も含めてもうちょっとランニングテストしていきます。
DSCN0441
クラシカルなフェイスにワイルドなオーストリッチ…アリ!
27万円で販売予定です~。

つぎ!ANCORAレディース手巻き
IMG_0070
電池交換の依頼でもっていらしたお時計が、蓋を開けたら機械式だったというのはたまにあります。
あまり有名ではないメーカーですが、ケース素材が金無垢で機械も素性が悪くなさそうだったのでOHを提案しました。
ムーブメントはAS(アシルト)社製のものでした、スイス中堅メーカーがよく採用していた機械です。
IMG_0071

一番芯上下の摩耗の修正、ヒゲゼンマイの調整を行いました…が期待しているほどシャッキリは仕上がりませんでした。
調整しつつ日差1分くらいにもっていければ御の字だと思います。

つぎ!Sinnオートマクロノ
IMG_0072
7750ベースなのはいつも通りですがケース構造が少し特殊です。
ジョイント巻き芯を使ってケース内で機械が中空状態になっています。Gショックと同じように耐衝撃性を意識した構造でしょうか。

裏蓋のネジが固着していたので先にそちらのネジ抜きと新規づくりは行っています。
あとはプッシャーの清掃と中のOHです。
IMG_0073
錆が出ていましたが折れずに無事取れました。基本的にクロノグラフプッシャーはプッシャーヘッド、バネ、ワッシャー、パッキン2つをケース内部からネジ止めという構造です。
錆を落としてグリスアップしてスムーズな動作を確認しました。
IMG_0074
bb7cf13a
一番ウケ上下の軽い摩耗と機械内部に入った錆粉が不調の原因だったと思います。
歯車のカナなど稼働上重要な部分に錆は出ていなかったのが幸いでした。
分解掃除を行って振角300度程度、歩度は+8秒くらいで調整中です。

明日ケーシングまで行って納期の近い時計を仕上げていきます。
それではまた!


気づけば更新期間あいてましたすみません。

まずはニコレットウォッチ(ランデロン39)から
IMG_0118
ピラーホイールタイプのクロノグラフ、廉価で知られるランデロンですがなかなか凝った造りですよこれは。耐震機構がなぜかパラショック。
IMG_0119
部品が油の海で泳いでるってくらいとにかく大量の油が付着していたのが不調の主な原因でした。
あとはヒゲゼンマイの変形、ヒゲもちのネジ折れ、日の裏軸痩せによるがたつき…
こんなもんでしょうか。処置不可能なトラブルがなくてよかったです。

洗浄と各部の軽い修正をして組み上げ、振角300度程度、歩度はとりあえず+20秒程度で調整中です。
あんまり追い込めそうなコンディションでもないですがぼちぼちランニングテストします。クロノグラフの連続稼働時間チェックも控えています。

納期の近いクオーツを間に挟みつつ…
つぎは430手巻きグランドセイコー
IMG_0002
ゼンマイ交換とOHでお預かりです。
430は57手巻きの前身、基本構造は一緒です。
ゼンマイは大至急部品屋に合わせてもらっているので先に部品の修正と洗浄だけ済ませておきます。
IMG_0004
IMG_0007
とりあえずここまで組んであとはゼンマイ待ちです。全体的に良いコンディションでした、2番のアガキは調整してあります。

つぎ!ジンオートマクロノGMT
施工の前にまずはプッシュボタンの動きがしぶいのでそちらの修正から
IMG_0006
軸が細い上、ネジがきってある部分が短いので良く折れます…。今回は幸い2つとも無事抜けてグリスアップして動きが改善しました。
IMG_0010
ムーブメントはETA7750
モジュールを追加してGMT針の早送りが可能になっています。
IMG_0008
IMG_0009
シンプルでよくできた構造です。
IMG_0011
部品の磨耗をチェックしながら全バラしました。
一番芯上下ウケが摩耗しているのでこれは休み明けに修正します。
休み明け木曜日はジンの続きからです、午前中までに仕上げて午後から部品入荷したGSへ…と続きたいですね。

それではまた!

このページのトップヘ